核兵器禁止条約を50カ国が批准し、来年1月22日に発効します

 核兵器禁止条約を50カ国が批准し、来年1月22日に発効します。核兵器を非人道的で違法だとする初めての国際条約が動き出すことになりました。「人道的アプローチ」を採用した画期的な条約であり、これを機に、安全保障の意味が「国家中心」から「人間中心」に大きく転換することになります。同条約は、2017年7月、国連の会議で122カ国が賛成して採択されたものであり、これらの国々が批准国に参加することは必至です。

 今や、「核兵器のない世界」の実現に向け、それぞれの立場で役割を発揮すべき時が来ています。「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」は日本被団協と連帯して、原爆被害の実相と被爆者のたたかい(運動)の記録を、人類が共有すべき記憶遺産として保存し継承し発信していく役割を担う決意を、改めて表明します。特に核保有国の市民への働きかけや呼びかけが求められています。そのため、世界に発信し続ける「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産の継承センター」を東京に設立するべく、被爆の記憶を未来につなぐ活動を広げるとともに、設立募金活動をさらに推進していきます。

  なお、日本被団協の「声明」を末尾に掲載します。

《声明》

核兵器禁止条約 50 カ国の批准書(加入書を含む)の寄託にあたって 被爆 75 年にあたる 2020 年 10 月 24 日、核兵器禁止条約の発効要件を満たす 50 カ国の 批准書(加入書を含む)が寄託されました。 2017 年 7 月 7 日、ニューヨークの国連本部において、核兵器禁止条約が 122 カ国の賛 成で採択されてから、まる 3 年の歳月を得て達成された快挙です。この日から 90 日を経 た来年の早い時期に、核兵器禁止条約は発効することになります。名実ともに核兵器はこ の条約によって禁止されます。被爆者が訴え続けてきた「核兵器なくせ」を実現する確か な道が開かれました。この日は、1945 年 8 月に核兵器が人類の頭上にさく裂した日と合 わせて、人類史上銘記される日となるでしょう。 核兵器の禁止、廃絶を求め続けてきた私たち被爆者は、生きていてよかった、と心から なる大きな喜びを分かち合う日を迎えました。75 年前、理由もわからぬまま命を奪われた 数十万の原爆死没者と今日まで被爆者運動に死力を尽くした先達に伝えたいと思います。 あわせて、国内外で長年にわたり、被爆者の運動を支え、核兵器の廃絶を目指し核兵器も 戦争もない世界に実現する運動を共にしてくださった多くの個人と団体、条約の成立に尽 力された各国政府および市民の皆さまと、喜びを分かち合いたいと思います。 しかし、核兵器不拡散条約「(NPT)で核兵器の所有が認められている核兵器国 5 カ国 とその同盟国、他の核保有 4 カ国もこの禁止条約に反対し続けています。残念ながら唯一 の戦争被爆国の日本の政府もその仲間に入っています。 今日まで日本政府は「核兵器は人道法の精神に反するが実定法は存在しないので違法で はない」「国際司法裁判所は核兵器の威嚇と使用は違法としながらも、国家の存亡がかかる 状況下での判断はしないとしている」ことをもって、「核兵器の使用は国際法では禁止され ない」との見解をとり、核抑止による安全保障政策をとり続けてきました。 これらの言い分はもはや成り立ちません。日本国政府、国会はいまや核兵器の全面禁止 の先頭に立つべきです。直ちに核政策を転換し、速やかに核兵器禁止条約に署名、批准し 核なき世界の実現の先頭に立つことをここで改めて要請します。 被爆者は国内外で、原爆は人類と共存できない絶対悪の兵器であることを、証言し続け てきました。2016 年からは核兵器の禁止、廃絶の条約をすべての国が結ぶことを求める訴 えに対する国内外の市民の賛同を呼びかける「ヒバクシャ国際署名」を推進してきました。 今や世界の核保有国の市民の多くが、核兵器が反人間的兵器で不要なものであることを 知るところとなりました。しかも、莫大な費用や時間、人材をかけて製造し、所有するこ とは、国際法違反となります。しかし、核兵器使用の危機は払しょくされていません。万 が一使用されることになれば、その被害は計り知れません。 被爆者の願いは、「ふたたび被爆者をつくらない」ことです。高齢化した被爆者に残され た時間はわずかです。力のある限り平和を願うみなさんと共に、核兵器も戦争もない世界 に向かって歩み続けます。

2020 年 10 月 25 日

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)

コメントを残す