2018/12/15 ノーモア・ヒバクシャ継承センターの設立募金を呼びかけます

ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会は、大江健三郎さん、故肥田舜太郎さん、安齋育郎さん、岩佐幹三さんが呼びかけ発起人となって、2011年12月10日に発足して、丸7年がたちました。

この間一貫して、被爆者の歩みを受け継ぎ、後世に伝えるために、ノーモア・ヒバクシャ継承センターの設立を目指してまいりました。継承センターは、被爆者による原爆とのたたかい(運動)を記憶遺産として引き継ぎ、保存し、広く内外に発信交流することができる拠点です。これまで、被爆者の証言集、被団協所蔵の60年間の運動資料の収集などに取り組んでまいりました。今日の公開ミーティングでは、これらの一端を紹介させていただきました。

さて、私は、胎内被爆者ですが、木戸季市日本被団協事務局長と一緒に、ヒバクシャ国際署名連絡会を代表して、10月10日に830万403人分の「ヒバクシャ国際署名」を国連に提出してきました。また、アメリカの若者たちに被爆者体験を語る機会を持つことができました。

国連総会第一委員会のイオン・ジンガ議長は、「こんなに多くの署名を集めていただき、国連に届けていただいたことに感謝を申し上げます」と述べ、「核兵器による被害を受けた被爆者の皆さんが、二度と同じような悲劇が起こされないように、自分のとても悲しい経験を証言するという選択をしてくださっていることに深く感銘を受けています」「被爆者の皆さん、そしてその家族の皆さんの不断の活動は尊敬と称賛にふさわしいと感じている」と述べ、笑顔で喜びを表しました。

国連総会では1946年に核兵器の使用を非難する第一号決議を採択し平和を追求してきていること、グテーレス国連事務総長が夏に長崎平和資料館を訪れ、平和式典に事務総長として初めて訪れたことにふれ、国連は、平和のため、相互理解のため、意見の一致のため、そしてよりよい世界のため、努めてまいりますと述べました。

翌日の11日、ニューヨーク市立ラガーディア・コミュニティ大学の約50人の若者に、被爆体験を語りました。8月6日、母親の胎内にいたとき、父親が会社にでたまま亡くなったこと。胎内で被爆するということはどういうことか。胎内被爆だからといって、被害から逃れることはできません。胎内被爆者は生まれるまえからヒバクシャであること。放射能が女性や子供に大きな影響を与えること。自分もいいしれぬ不安のなかで生きてきたことなどを語りました。参加者からは、「オバマ大統領の訪問をどう思ったか」「私たちにできることは」「どのようにして復興をなしとげたのか」「あなたの体は大丈夫か」などたくさんの質問をうけました。

その中で「どのように復興をなしとげたか」という質問について、瞬間、私はきれいな広島の街並みの今を思い浮かべました。しかし、きのこ雲の下で、多くの人が殺され、残された被爆者のからだ、くらし、こころに負った傷は癒されておらず、核兵器廃絶の願いはまだ遠く、国の償いも実現していないではないか。いまも、不安のなかで生きているではないか。そうすると、表面から見える街並みからは見えない被爆者の体験や思いや願いをより強く世界に知らせていかなければいけない。そのように私は思いました。

 

今、世界に核兵器は、Ⅰ万4千発余も存在し、人類を脅かし、核実験や、新たな核兵器の開発、条約の破棄など、73年前の広島・長崎の惨劇は無視され、忘れ去られたような状況が生み出されています。このような危機のなか、グテーレス国連事務総長は、軍縮アジェンダ「共通の未来のために」の発表に際して今年5月にジュネーブ大学の若者にむかって講演をしました。人類を守る軍縮で、大量破壊兵器の核兵器の廃絶を一番の課題として挙げるとともに、人命を救う軍縮で通常兵器を、未来世代のための軍縮でサイバー攻撃など、三つの課題を優先課題として挙げています。

被爆者は62年前の日本被団協の結成宣言で、「私たちは自らを救うとともに、私たちの体験をとおして人類の危機を救おうという決意」を高らかに誓い合いました。一方、2013年に出されたノーモア・ヒバクシャ記憶遺産の継承センターの基本構想の中では、「被爆者独自の運動を戦後史、人類のあゆみの中に位置づける」と述べています。それぞれ被爆者の体験を核兵器廃絶という人類の課題に位置づけていることが特徴です。

 

被爆者は2016年4月にヒバクシャ国際署名に取り組みました。平均年齢80歳を超えた被爆者は、後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したいと切望しているからです。2017年7月7日に核兵器禁止条約が採択され、廃絶にむけ光が見えてきました。しかし、核兵器の廃絶に向けては「核抑止」「核の傘」を乗り越えなければなりません。原爆被害者への要求では、「戦争犠性受忍論」を乗り越えねばなりません。被爆国の責任を問うていかねばなりません。そのためには、一人の被爆者として被爆体験を語り続けるとともに、被爆者の運動のあゆみ、たたかいに学ばなければと思っています。そうした中で、この度、「ノーモア・ヒバクシャ継承センター」設立の呼びかけとなりました。

ニューヨークでの大学で、証言のあと、一人の青年が、「核兵器の廃絶は世界の一人ひとりの課題ですね」と声をかけてくれました。皆さんにお配りしている「みんなで募金をはじめよう」というリーフレットをご覧ください。中に「誰のために継承するのでしょうか」と呼びかけがあります。「いまこの時代に、私たちは核兵器や戦争にどのように向き合って生き、どのような未来をこどもたちに残すことができるのか。被爆者の体験とたたかいいの記録は、それを考え学ぶための宝庫です。『センター』はわたしたち自身とわたしたちの子孫のために、非核・平和の世界を作るための知恵を継承しようとするものです。これを引き継ぐのは、わたしたち自身です」とあります。

東京都から「認定NPO法人」の資格を得て、寄付行為に関わる税制優遇をうけられるようになりました。センター設立に向けて条件が整ってまいりました。

ノ-モア・ヒバクシャ継承センターの設立意義をくみ取っていただき、この取り組みに賛同、協力し、募金の取り組みに参加くだるようお願いいたします。

本日は、長時間にわたってご協力ありがとうございました。

 

            2018.12.15

被爆者の声を未来につなぐ公開ミーティング

~「ノーモア・ヒバクシャ継承センター」の設立をめざして~

濱住 治郎(日本被団協事務局次長・継承する会事務局)

*継承センター設立募金への協力を呼びかけるリーフレット「ノーモア・ヒバクシャ継承センターをつくるため みんなで募金をはじめよう」(PDF)を制作いたしました。リーフレットはご要望があればお送りいたします。下記のFAXまたはメールでご連絡ください。身近な人々や広く各方面に募金を働きかける際に、活用くださるようお願いします。

リーフレット表紙

リーフレット表紙

ご要望:リーフレット「みんなで募金をはじめよう」  ○部

宛 先:FAX  03-5216-7757

E-mail hironaga8689@gmail.com

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