【紹介】憲法第9条への自衛隊明記を撤回せよ――日本被団協が「声明」

憲法施行71年目の5月3日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、憲法9条の要である「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」をなきものにする憲法9条への自衛隊の明記を撤回するよう安倍首相に求める次の「声明」を発表しました。

[声明]

憲法9条への自衛隊明記を撤回せよ

 

2018年5月3日

日本原水爆被害者団体協議会

 

5月3日、日本国憲法が公布されて71年になります。1945年8月、広島、長崎で原爆の被害を受け、生き延びた被爆者は、病んだ体を奮い立たせ、「ふたたび被爆者をつくるな」「核兵器をなくせ」と国内はもとより、海外にも出かけて訴え続けてきました。核兵器のない世界を望む被爆者と国民の声が力を発揮し、現行憲法の下で日本が戦争を始めることを阻み、他国の人々を戦力で殺傷してこなかったのは、ぎりぎり憲法第9条が守られてきたからにほかなりません。

 

2017年7月7日、国連のもとで核兵器禁止条約が採択され、条約を効力あるものにする努力がつづいています。残念なことは、日本政府がこの条約への参加はもとより、調印も批准も拒否していることです。その一方で、昨年の5月3日、安倍首相は、2020年新憲法施行を宣言し、現行憲法第9条第1項、2項はそのままに、第3項に自衛隊を加えることを表明しました。国際的慣行として、憲法や法律に新たに付け加えた条文は、前の条文を超えるものとして扱われます。第9条に自衛隊を明記することで、「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」を越え自衛隊を戦力として扱うことが可能になります。狡猾な仕業は、それだけではすまなくなることを強く危惧します。

 

憲法記念日の5月3日、あらためて日本国憲法第9条を掲げます。

「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。」

 

憲法第9条の要である「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権の否認」をなきものにする憲法第9条への自衛隊の明記は、本日を機に撤回するよう安倍首相に強く求めます。

 

原爆のもたらした苦しみとたたかいながら生きてきた被爆者たちにとって、憲法9条は切実な「生きる支え」になってきました。「戦争だけはしてはならない」と9条に寄せる思いは、2015年に日本被団協と継承する会が協力して実施した調査「被爆70年を生きて“被爆者として言い残したいこと”」にも多数寄せられました。

「問:今とくにこころにかかっていること」では、「日本がまた戦争する国になるのではないか」と危惧する人が最も多く(64.6%)、「問:再び被爆者をつくらないために、今、日本政府に求めたいこと」では、「憲法9条を厳守し戦争によらない国づくり」を求める人が回答者の77.3%。核兵器廃絶(72.2%)、実相普及(67.5%)を上回るほどでした。

「戦争の道を選び、敗戦、原爆被爆。その日本だからできる、日本にしかできない、日本という国の在り方があります。それは平和憲法、特に9条を世界の憲法へと努力することです。そのときはじめて日本は世界から敬愛されるでしょう。」(広島 直爆1.5㎞、女・被爆時14歳)

「今、自分が生きていられるのは9条があったから。」(長崎 直爆3㎞、女・9歳)

昨秋発行された70年調査の報告書(1部200円、送料実費)には、こうしたことば(自由記述回答)の抜粋も満載されています。被爆者たちの「言い残したいこと」を学び伝えていくためにも、ぜひ普及・活用してくださるようお願いします。

お申し込みは、日本被団協へ(FAX 03-3431-2113 E-mail:kj3t-tnk@asahi-net.or.jp)。

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