【東京】5/27(土)特定非営利活動法人 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会 第5回通常総会ならびに第1回理事会のご報告

去る5月27日(土)午後1時~4時、東京四谷の主婦会館プラザエフで第5回通常総会が開催されました。岩佐幹三代表理事より冒頭の挨拶で、「核兵器禁止条約」草案の発表など国連での画期的な動向、また会結成に尽力された故肥田舜太郎さん、故池田眞規弁護士のご功績などにも触れながら、改めてこの会のはたすべき役割を強調されました。

(詳細は、後掲「第5回通常総会 ご挨拶」をご参照ください。)

 

総会の概要は次の通りです。

 

①会の運営に顕著にご支援いただいた次の組織の方々へ感謝状を贈呈しました。

生活協同組合コープみらい   理事長 新井ちとせ 様

富士ゼロックス首都圏株式会社 執行役員 片山真 様

株式会社PFU        執行役員常務 宮田和久 様

情報産業労働組合連合会    中央執行委員長 野田三七生 様

 

②第1号議案2016年度事業報告(案)承認の件、第2号議案2016年度決算(案)承認の件(監事監査報告を含む)、第3号議案役員選任の件が賛成多数で承認されました。主な発言は次の通りです。

・5年間で資料も集まり、それらをデジタル化して公開する体制が整ってきた。「未来につなぐ被爆の記憶」プロジェクトを通じて会の活動を広く知ってもらう。

・会の活動が見えない。アーカイブもよいが、先ずは現物を見せることだ。継承センター建設のための資金集めが一向に始まらない。

・インターネットは自分ではほとんどできない。どうすれば被爆者一人ひとりに分かってもらえるかを考えたい。

そのほか、被爆70年「被爆者として言い残したいこと」調査、ベルファルトの国際平和博物館会議、「継承活動に取り組む人々をつなぐ」プロジェクトについて、発言がありました。

 

③2017年度事業計画及び予算について、討議が深められました。主な発言は次の通りです。

・小規模でも収集した資料の展示など、会の活動を伝えていきたい。

・継承センター設立のための募金をどのように進めていくのかが見えない。会員拡大

と寄付金募集の具体的なプランを持っているのか。

・「被爆者運動に学び合う学習懇談会」の資料は貴重だ、継承する会のHPで共有できないか。

・被爆者や遺族のところに眠っている資料や遺品があると思うが、どう考えているか。

(遺品については、施設の条件や保存環境など専門家の協力が不可欠だ。)

 

④第1回理事会が開催され、代表理事に岩佐幹三氏、副代表理事に安齋育郎氏、中澤正

夫氏が再任されました。新任理事並びに退任理事のご挨拶がありました。

なお、役員名簿一覧は後掲資料をご参照ください。

 

 

 

 

《第5回通常総会関連資料) 

 

≪NPO法人 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会 第5回通常総会≫

ご 挨 拶

代表理事 岩佐 幹三

 

本日は多数の会員の皆さんがご列席いただきありがとうございます。

多くの皆さんのご支援を得てゼロから発足して5年、会としての基盤の整備も順調に進めてきた今日ですが、最初に残念なことを申し上げなければなりません。

本会の結成に大きな役割を果たして下さったお二人の先覚者が、昨年から今年初頭にかけて相次いでお亡くなりになりました。皆さんにはご承知のことと思いますが、「被爆者は人類の宝だ」と言って励まし続けてこられ本会の発案者でもあった池田眞規弁護士さんと、ご自身被爆者であるだけでなく被爆者医療・内部被ばく問題に献身的に貢献され、本会結成の呼びかけ発起人の一人となり賛同者の拡大に尽くして下さった肥田舜太郎先生です。お二方ともに肺炎が悪化してのことと承っていますが、高齢化した私たちにとっても用心しろよとの教訓を残して逝かれたように思います。惜しんでも惜しみきれないことです。今はお二方のご遺志、ご遺訓を受け継いで今後の活動に活かしていくことです。心からのご冥福を皆さんと共にお祈りしたいと思います。

 

翻ってこの間に本会の活動に深いご理解をいただき、会の運営に特に大きくご支援をいただいた組織についてご報告したいと思います。私たちが、初期の基礎的な目標としてきた原爆被爆者の被爆体験や被爆者運動などの基本的な資料の整理・保存のための条件づくりに少なからぬお力添えを下さったのが、首都圏を拠点とされているコープみらいです。南浦和の施設に資料を保管、会議室の使用をご了承いただき、資料整理が大きく促進されることになりました。また富士ゼロックス並びに株式会社PFUにおかれましては、文書電子化の飛躍的な促進のために同社のスキャン機器類を贈与くださいましたので、ありがたく活用させていただいております。情報労連からは「愛の基金」として多額の寄付金をいただきました。

つきましては本日の総会を機に、各組織のご理解とご支援に対して感謝の印というには真にささやかではありますが、感謝状を贈呈して、心からお礼を申し上げるとともに、今後とものご支援、ご鞭撻をお願いすることにいたしました。

私たちは、このようなご支援にもつつまれて発足5年、会の活動の基盤整備に力を注いできました。これを陸上競技の三段跳びにたとえれば、私たちは今ホップ・ステップ・ジャンプの助走からホップに移ろうとしている段階だと思います。「継承センター」の構想も固まり、資料のアーカイブス構築へようやく踏み出した今日、本会の基本目標である「記憶遺産の継承」をいかなる形で形成・拡大し、組織化していくか、その責任の重大さにますます身も引き締まる思いです。

 

ところで皆さんもご承知と思いますが、本日の総会を前にして、私たちにとって歓迎すべき国際情報が伝えられてきました。「核兵器のない世界」への展望を切り開く第1歩ともいえる情報です。

つい先日の5月22日のことです。国連で行われている核兵器を禁止し廃絶をめざす条約交渉会議のホワイト議長が、国連欧州本部で核兵器禁止条約の草案を発表されました。

速報によれば、条約の前文では「核兵器の被害者(hibakusha)、核実験の被害者の苦しみを念頭に置き…核兵器の使用は人道法の原則および規則に反すると宣言」し、「核兵器廃絶を誠実に追求する」ことが表明されているようです。それと同時に核兵器保有国も参加しやすいよう条件も緩めたものになっているようです。核戦争の最初で唯一の被害者である広島・長崎の被爆者が訴え求めつづけてきた核兵器廃絶の要求が、国際的な文書として国連に提起されることになったのは画期的なことです。

あの日から72年、被爆の結果、身内・家族、友人、知人などを失い、その人々の死は無駄な死として歴史に活かされることもなく、生き残った人々もいつまでも被爆者という癒されることのない運命を背負わされ続けてきました。その苦しみの体験から被爆者は、調査や手記・体験記、実相普及の活動をつうじて核兵器は反人間的な、二度とくり返してはならない絶対悪の兵器だということを、世界中に訴えつづけてきました。

今日ここまで来られたのは、被爆者とのその要求を自分の問題と受け止めて、共に考え、共に歩み続けてくれた世界中の平和を愛する諸国民の世論の力によるものです。

そして、2010年の国連NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議の前後から非核兵器保有国の間で広まり始めた核兵器被害の非人道性の問題を追及しようとする世論の広まりが、今や国連の場で「核兵器を禁止し、廃絶」をめざした国際的な協定、条約をつくろうという動きとなって、国連加盟国の多数を占める非核兵器保有国を中心に大きな流れをつくりだすことになったのだと言えましょう。

しかしこれで被爆者をはじめ平和な世界を求める私たちの願いが達成されると早合点しないでください。条約や国際協定が結ばれても、そのことによって核兵器が直ちになくなるわけではありません。

それどころか核保有国はすでに巻き返し工作を始めていると見た方が賢明でしょう。彼らが頼りにしている核抑止論(核兵器を持っていることによって外敵の侵略を防げるという理論)ですが、よく考えてみると他国に「俺たちは核兵器を持っているぞ」と威嚇しているに等しい理論・行為に他なりません。

では断念しなければならないのでしょうか。いやそんなことはありません。長年かけて進めてきたのは、私たち市民の力、世論の力です。今日本被団協が呼びかけて進めている「国際署名」を「自分には関係ないよ」と言っている無関心層にどこまで理解され浸透していけるかだと思います。私は、町内会の総会で了承を得られたのでできるだけわかりやすい文章をつくって挑戦してみるつもりです。工夫と想像力で、草の根の力を引き出すこと、本会のこれからの活動と似ているように思っています。

継承する会には、被爆者とその運動が残してきた資料が蓄積されてきています。それらを多くの人々に活用できるものとすることは、核兵器廃絶への確かな根拠を提供し、国内外の世論を広げる土台ともなるものです。

私たちが、無関心な人、無関心を装っている人にどこまで理解され、ひきつけられるようなものを発信し、提供できるか工夫し、構想して行こうではありませんか。

 

 

≪2017年度選任役員名簿一覧≫ (敬称略)

【理事】

代表理事  岩佐幹三(日本被団協顧問)

副代表理事 安齋育郎(立命館大学名誉教授)

中澤正夫(医師)

理事   有原誠治(映画監督)

理事   大岩孝平(東友会会長)

理事   大久保賢(弁護士)

理事   岡山史興(会社経営)

理事   聞間 元(医師)

理事   内藤雅義(弁護士)

理事   直野章子(広島市立大学教授)

理事   中川重徳(弁護士)

理事   二村睦子(日本生協連組織推進本部長、新任)

理事   舟橋喜惠(広島大学名誉教授)

理事   八木良広(愛媛大学教育学部特定研究員、新任)

理事   安田和也(第五福竜丸平和協会事務局長)

理事   山根和代(平和のための博物館国際ネットワーク 執行理事)

理事   吉田みちお(東京被爆二世の会 事務局長、新任)

理事   伊藤和久(会事務局長)

【監事】

監事   木村 誠 (司法書士)

監事   田部知江子(弁護士)

 

なお、次の方々が退任されました。この間、会の発展のためにご尽力いただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。

笹川博子さん (日本生協連 執行役員)

橋本左内さん (牧師)

吉田一人さん (ジャーナリスト、杉並区被爆者の会理事)

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