【つなぐPJ】『(東京)8/27被爆者の証言と「継承」を考える』の記録(2)《ディスカッション 「継承」を考える》

今年の8月27日(土)東京四ツ谷の主婦会館プラザエフで開催した被爆者の証言と「継承」を考えるの記録ができました。当日の録音から文字起こしして、つなぐPJのしのさんと中尾さんにまとめていただいたものです。

《ディスカッション 「継承」を考える》

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岩佐理事の話を受け、“「継承」を考える”というテーマに沿って、ディスカッションを行いました。被爆者3名のほか、参加者は皆、原爆を体験していない世代。そこでまず、経験のない者が「継承」していくことについて、被爆者に話を聞きました。

○皆さんの問題(として考えてほしい)。核兵器の問題にしろ、原発の問題にしろ、地球温暖化の問題にしろ。皆さんの命が大切にされ、暮らしが大切にされるような社会をつくっていくということ。

○広島・長崎の実相、実態(を引き継いでほしい)。広島・長崎で原爆によって何が起こったのか、その時に人間がどうなったのか。その時だけではなく、その後、どう生きてきたのか(知ってもらいたい)。

○核兵器をなくすという課題は、これから生きていく人類の、これから生まれてくる人類にとって、最も大事な問題。ヒロシマ・ナガサキを未来の課題として受けとめてほしい。

当事者である被爆者がこのような想いを抱く一方、参加者からは

○被爆者の方に話を聞くときに、聞いていいのかなと躊躇することがある。聞かれたらどんな気持ちになるのかわからない。

との声が上がりました。継承していく上で避けては通れない「聞く」作業。この葛藤をどのように解決すれば良いのでしょうか。同じく非体験者である参加者からはこんな意見が出ました。

○誰にでも話したくないことはある。広島を経験したら、そのことを話さなくてはならないという義務はないと思う。語らない自由もあると思う。

○日本は話さなくても相手を察してあげるという文化が強い国だと思うが、“伝える”という意味では言葉にしなくてはわからない。しかし原爆というのはあまりにも強すぎるし、センシティブ。その折り合いをどうつけるのかも課題。

被爆体験が“口を閉ざしたくなるほどのすさまじい体験”であること。そのことに想いを馳せ、理解しようとしているからこそ、このような言葉が出たのではないでしょうか。歩み寄りの方法は違えど、その言葉からは被爆者に寄り添おうとする気持ちが伝わります。被爆者でないと分からない部分、理解できない部分、共有できない部分はもちろんあります。ですが、私たち非体験者にとって大切なのは、そういった部分に精一杯寄り添おうとする姿勢なのかもしれません。

今回の参加者の中には、自治体で、個人で既に継承活動に取り組んでいる方々もいらっしゃいました。話は、自身の活動について、そして「(活動を)どう広めていくか」、「関心のない人をどう取り込んでいくか」にー。

○長崎市の平和教育でナガサキ・アーカイブ※1を活用してもらっている。つくって終わり、集めて終わりではなく、そこから広げていくことが大切。

○お金がないが価値のあることをしようとしている人たちが、活動をやりやすい仕組みが出来てきている(ex.クラウドファンディング)。そういうところに希望を持っている。

○(被爆者の写真を撮影しているが)壮絶な体験をしたのに笑顔で暮らしている人たちの写真を見て、色々なことを考えさせられましたという感想をもらった。若い方が来て下さったので続けていけたらと思っている。

○自治体で伝承者として活動しているが)1年間の研修を終わって4月から活動を始めている。若い方に、特に感受性の強い小学生の内に聞いてもらいたい。

○頻度がないと定着しない。日本は国が主導してやっていないから、NPOがやらなくてはならない。NPOだと人も予算も限られている。そういう悪循環から、なかなか定着していかないのではと思う。

○国が主導と言われたが、今は逆の流れが強くなっている。原爆や戦争のことを教育に取り込んでいくベースがない。色々な運動と結びついて、流れを変えていくことが必要だと思うし、1人1人の意識を変えていく地道な努力が大事だと感じている。

○被爆体験を伝えるというときに、ストレートにそのことに関心を持ってくれる人は限られていると思う。間に媒介となる方が必要。そういう方をうまく入れていかないと(関心を持ってもらうのは)難しい。

まだまだ課題の多い“非体験者の継承活動”。しかし“原爆を体験した人がいない”そんな将来を迎えるのはそう遠くありません。そうなった時、被爆体験の継承は非体験者が担っていかなければなりません。参加者1人1人の言葉や表情からは、その責務を果たそうとする想いがひしひしと伝わってきました。また「デジタルの力で被爆の記録を残す」、「伝承者として被爆体験を話す」、「演劇・朗読で原爆を伝える」、「写真で被爆者の今を発信する」このように、様々な形で継承を実践する、実践していこうとする人たちが集ったこの場には、可能性が溢れているように感じました。

「継承」というテーマを通し、被爆者と非体験者、そして非体験者同士のつながりを生んだ今回。このつながりが参加者にとって、新たに何かを始めるきっかけや、活動の展開や課題の解決のためのヒントとなっていけばと思います。

※1 ナガサキ・アーカイブ(http://nagasaki.mapping.jp/p/nagasaki-archive.html

Google Earthを用いて、長崎の地形を立体的に俯瞰しながら、被爆者の写真と体験談を、実際に被爆した場所と関連づけて閲覧することができるコンテンツ。

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